May 21, 2011
企業に必要な事業資金をどうするのですか
この前お店を持っていると思うから、その資金を稼ぐために努力しているなんて話をよく聞いていましたが、今では高校生や大学生が創業している時代です。アイデアがあれば、事業資金も必要ないのでしょうかね。今では店を出すことも、インターネットに出すことができ、オフィス自体が、インターネットでも問題なさそうですね。そのアイデアがあれば、公募などで事業資金を渡す仕組みもあるわけで、調べてください。会社の設立はどのようにすることが可能ですか?会社を立ち上げれば良いとするほどの話ではありません。その後、会社を維持していかなければできません。そのような意味での会社設立を考えると、その道の専門家に相談するべきかと思っています。これにより、会社設立がよく確率が上がるのではないでしょうか。
モバイルIT業界は2010年を境に新時代に突入した。1999年のiモード登場から10年余り続いた従来型の高機能ケータイ(フィーチャーフォン)の成長は鈍化し、一方で、iPhoneを代表とするコンシューマー向けスマートフォンが台頭。モバイルでの新ビジネス・新サービスの進化と発展の軸足は、スマートフォンに移り始めた。
【写真:インタビューの様子】
モバイルIT業界全体の成長領域も、“携帯電話”から“多様なモバイルデータ端末”へとシフト。その先兵として、2010年はモバイルWi-Fiルーターとモバイル通信モジュールが新規契約数の拡大を牽引した。そしてインフラ面では、NTTドコモが2010年12月24日にLTEサービス「Xi(クロッシィ)」を開始し、モバイルブロードバンド時代へと乗り出した。
そして年が明けて2011年。今年はこの“モバイルIT新時代”の先駆けとなる1年になる。日本だけでなくグローバルでもモバイルIT市場の重要性は増していき、そこでの競争は激しくなる。モバイルIT業界は今年、どのように進化と発展をしていくのか。1月1日の新春特別インタビューとして、NTTドコモ 代表取締役副社長の辻村清行氏に話を聞いていく。
●2010年、スマートフォンとデータ通信の時代が幕を開けた
――(聞き手:神尾寿) 2010年はモバイルIT業界にとって、重要かつ象徴的なトピックスが多い1年になりました。去年1年間を振り返って、どのようにご覧になっていますか。
辻村清行氏(以下辻村氏) やはり最大のトピックはスマートフォンですね。「スマートフォンが本格的に立ちあがり始めた年」。スマートフォンが、2010年を特徴付ける大きなキーワードです。
―― ドコモも、2010年4月に「Xperia」を発売し、その後に「Galaxy S」や「LYNX 3D」「REGZA Phone」など多くのスマートフォンを投入しましたが、市場での手応えはいかがでしたか。
辻村氏 手応えはありますね。当初は2010年度のスマートフォン販売台数を100万台程度と想定していたのですが、中間決算の段階で130万台まで上方修正しました。おそらく、その数字も超えると見ています。それだけの伸びしろがあります。
―― 日本ではiモードを筆頭にフィーチャーフォンが普及していたわけですけれども、スマートフォンがここまで売れている理由はどこにあると考えていますか。
辻村氏 やはりUI(ユーザーインタフェース)ではないでしょうか。スマートフォンがお客様に、新しいUIの世界観を提供した。ここが支持されているのだと思いますね。とはいえ、スマートフォン自身は発展途上だと考えています。おサイフケータイやワンセグが入っている機種が限定されていますし、UIもまだ進化していけます。(全体的には)発展途上な部分はあるとは思いますが、やはり“今までにない使い勝手”が出てきたということが重要です。
―― 確かに今までのフィーチャーフォンは、ある意味で完成されていて、UIやユーザー体験の部分での目新しさを、分かりやすく打ち出すのが難しくなっていました。その点で、今のスマートフォンはユーザーにとって新鮮に映るのかもしれません。まずは、そこが普及の入り口になっていますね。
一方で、スマートフォンは従来型のフィーチャーフォンに比べてデータ利用量が多い。iPhoneの普及が著しいソフトバンクモバイルでは、3Gでのインフラ増強に加えて、公衆無線LANやフェムトセルへのオフロード戦略を打ち出しました。スマートフォン時代は、インフラに対する考え方も変わってきています。
辻村氏 ドコモでもデータトラフィックが伸びていまして、前年比で1.6倍くらいになっています。この伸びが今後5年も続くと、データトラフィックは現在の10倍を超えます。スマートフォン時代に備えたインフラ構築がとても重要になります。
その対策の1つとして、我々はLTEの「Xi」を2010年の段階で導入しました。これは世界でも(早期導入の)トップ集団になります。スマートフォンによってデータトラフィックが爆発的に増える時代を前にしているからこそ、Xi導入は重要な布石になるのです。
―― 昨年はデータトラフィックが爆発的に増えていくという点でも、元年だったわけですね。
辻村氏 2010年はARPU(Average Revenue Per User/顧客1人あたりの平均収入)の面で見ても、ターニングポイントでした。ここを見ますと、2010年度は音声(通話料の)ARPUとデータ(通信料の)ARPUがちょうど50対50になるでしょう。2011年はデータARPUが、音声ARPUを超えていくと見ています。こういった傾向はドコモに限らず、他キャリアでも顕著になっていくと思います。
スマートフォンの本格普及がはじまり、それによってデータARPUが音声ARPUを超えた。そういった点で、2010年はエポックメイキングな年だったと言えるでしょう。
●2011年、スマートフォンにiモードを移植する
―― スマートフォンが本格普及期に入った2010年。これを受けて、2011年に注目のトピックスやポイントはどのようなものになるのでしょうか。
辻村氏 (2011年は)まずはスマートフォン普及のスピードが加速されます。ドコモの総販売数のうち、200〜300万台くらいがスマートフォンになるのではないでしょうか。この数字は上ブレする可能性もあります。僕としては、300万台に近い数字になると考えています。
―― スマートフォンの一般普及が本格化していくわけですね。
辻村氏 そうすると、ドコモとして考えなければならないのが、「iモードをどう取り扱っていくか」ということです。より具体的に言いますと、iモードで展開しているサービスをスマートフォン上に移していかなければなりません。iモードメールはspモードメールで移植しましたけれども、iチャネルやiコンシェルといったものがまだスマートフォンで利用できません。こういったiモード上のサービスを、スマートフォンのアプリに乗せていく。この作業を加速化しなければなりません。
―― 確かに私がスマートフォンに1本化できない原因も、iチャネル/iコンシェルや、緊急地震速報(エリアメール)が、いまだにスマートフォンで利用できないからです。2011年は、これら“iモードを日常的に利用しているユーザー”がスマートフォンを使い出す、と予測されているわけですね。
辻村氏 そうです。iモードのヘビーユーザーがスマートフォンの新規ユーザーになることを考えますと、(スマートフォン側で)きちんとiモードの受け皿を用意しておく必要があります。
―― スマートフォンでは今「spモード」というブランド名でiモード互換サービスを展開していますが、来年展開されるiモードの受け皿は、スマートフォンでも「iモード」というブランドになるのでしょうか。
辻村氏 それはまだ決めていません。iモードやiコンシェルというブランドで展開するのか、それともspモードのように別の名前にするのかは、まだ検討中です。
しかし、いまiモードで展開しているサービスは、可能なかぎり多くをスマートフォンでも利用できるようにします。また、お客さまがストレスなく、(スマートフォン上のiモードに)移行できるということも重要ですね。
―― 実際にスマートフォン向けにiモードを展開するにあたっては、コンテンツの充実も必要になります。
辻村氏 ええ、コンテンツプロバイダーの皆さまの協力も必要になります。ドコモとしても、コンテンツプロバイダーとの連携は重視していきます。スマートフォンでは(従来型のフィーチャーフォンと)スクリーンサイズが異なりますし、UIもタッチパネルが前提になって大きく変わる。どこまでできるかは不分明ですが、ドコモとしてコンテンツプロバイダーのサポートは考えていかなければならないでしょう。コンテンツプロバイダーが混乱せずにスマートフォンに移行できるようにする、ということが重要です。
―― iモードのスマートフォン移行を考える上では、課金システムやDRMの整備も重要になってきます。ここでのドコモの方針はいかがでしょうか。
辻村氏 課金システムの整備やDRMの強化が、(スマートフォンでの)コンテンツ拡充に重要なのは理解しています。その点はGoogleとも協議を重ねています。ドコモとしても、きちんと取り組んでいきたい。
●4シリーズ体制は見直し、ラインアップ全体を再編する
―― 来年スマートフォンの普及が加速化していく。となりますと、フィーチャーフォンとスマートフォンの調達・販売比率や、マーケティング上の棲み分けはどのようになっていくのでしょうか。
辻村氏 まず、大きな流れとしてスマートフォンの比率が上がる。これは間違いありません。我々としては、2013年の時点で(販売における比率が)半々になると予測しています。ドコモの年間総販売台数で鑑みますと、おおよそ(フィーチャーフォンとスマートフォンが)750万台ずつという感じですね。ただ、これは少し保守的な予測かもしれません。いずれにせよ、2013年には機種数的にもフィーチャーフォンとスマートフォンが半々になり、実際の販売比率も同じくらいになっていくでしょう。
―― その普及シナリオに合わせて、ドコモ全体のビジネスもスマートフォンに舵を切っていく、と。
辻村氏 ええ。iモードの主要機能については、2011年度中にはスマートフォンに乗せていきたい。2011年度の夏モデル、冬モデルという2段階で、(iモードの)かなりの部分をスマートフォンに移したいと考えています。
この計画で進捗すれば、2012年度のスマートフォンの大半はiモードが使えるということになりますので、一般ユーザーのスマートフォン移行が加速されます。遅くとも2013年度には総販売数の半分がスマートフォンになるというシナリオが実現するわけです。
―― スマートフォンの販売比率が高まる中で、フィーチャーフォンでフルラインアップ戦略をやるメリットが薄れています。より踏み込んで言わせていただくと、すでにハイエンドからミドルハイのユーザー層がスマートフォンを選び始めており、ドコモの「PRIMEシリーズ」などは存在意義を失っているわけです。いつまでもフィーチャーフォンで4シリーズ化のフルラインアップ戦略をとることは無駄ではないでしょうか。
辻村氏 それはおっしゃるとおりです。今ドコモでは、(フィーチャーフォンを)「PRIME」「STYLE」「SMART」「PRO」と4ジャンルに分けたラインアップにしていますが、これを2011年度には見直したいと思っています。
現状で見ますと、フィーチャーフォンのPRIMEのお客さまのかなりの部分がスマートフォンに移行している。ご指摘のとおり、PRIMEを続ける意味がどこにあるのかは考える必要があります。しかも今はインセンティブの関係で、フィーチャーフォンのPRIMEシリーズ端末よりも、スマートフォンの方が安いわけです。スマートフォンとフィーチャーフォンの両方で、ラインアップ戦略を見直さなければならない。
―― 確かに販売価格面での混乱はあります。下手をすると、発売直後のSTYLEシリーズよりもスマートフォンの方が安いということもあるわけですから。
辻村氏 ええ。しかし、そのフィーチャーフォンとスマートフォンの販売価格の逆転現象は一時的なものと考えています。ラインアップの見直しとあわせて、そのあたりの整理もしていきます。いずれは、スマートフォンがハイエンドからミドルクラス向けとなり、その下にフィーチャーフォンのSTYLEシリーズが位置するような形に、ラインアップや販売価格の整理・見直しをしていきたい。
―― 基本的には、スマートフォンが「上」、フィーチャーフォンが「下」というようなヒエラルキーですか?
辻村氏 いいえ、それだけとは限りません。スマートフォンでも中低価格帯の端末を出していきたいと考えています。ですから、スマートフォンはハイエンドだけでなく幅広くラインアップされて、フィーチャーフォンはやや下の層が中心になっていくでしょう。その中では、ある程度は重なり合う部分もあると思います。
―― 昨年、ドコモのスマートフォンラインアップはSamsung電子のGALAXY Sをフラッグシップに、海外メーカーのハイエンドモデルと、国内市場のニーズに適応した日本メーカーのスマートフォンも育成するという方針でした。2011年のラインアップでは、海外メーカーからのグローバルモデルの調達と、国内市場向けに開発されたローカルモデルの比率はどのようになるのでしょうか。
辻村氏 そこはまだ決めていません。ただ、1つ言えるのは、スマートフォンを供給するメーカーが増えるということです。例えば、今ドコモにスマートフォンを供給している日本メーカーはシャープと富士通東芝モバイルコミュニケーションズの2社ですが、それ以外の日本メーカーもスマートフォンを出してくるでしょう。ですから、こういった日本メーカー製のスマートフォンと、海外メーカー製のスマートフォンをコンビネーションで採用していくことになるでしょう。
―― OSで見た場合ですが、現在はAndroid搭載のスマートフォンが主流です。しかし、来年にはMicrosoftのWindows Phone 7が日本語化される計画ですし、海外ではコンシューマー市場向けのBlackBerry端末も登場しています。こういったAndroid以外のOSプラットフォームの採用はどのようになりますか。
辻村氏 コンシューマー向けの主流はAndroidになるでしょう。ただ、おっしゃるようにWindows Phone 7やコンシューマー向けのBlackBerryも登場しますので、(日本で)どれだけ需要があるかはしっかりと見極めていきたい。しかし、当面の主流はAndroidですね。
あと、もう1つ(ドコモが)注目しているのがタブレット端末ですね。これは海外メーカーだけでなく、日本メーカーも含めて数機種を出していきたい。
―― 今年(2011年)はタブレット端末の市場が立ち上がりますか?
辻村氏 需要という点で注目しているのは法人ニーズですね。タブレットは確かに個人で使うというコンシューマーニーズもあるでしょうが、それよりも企業が業務改革や生産性向上のツールとして導入するという市場の方が先に立ち上がると見ています。
―― スマートフォンだけでなく、タブレット端末の法人需要が重要である、と。
辻村氏 いや、むしろスマートフォンよりもタブレット端末の方が、法人市場では先に需要が立ち上がるでしょう。ただし、ここで重要になるのは、セキュリティです。業務改革でタブレット端末を使うとなると、紛失・盗難時の対策をはじめ、企業での利用に適したセキュリティのソリューションがセットでなければいけません。
―― ドコモは以前から法人向けのモバイルソリューション商品の開発力で群を抜いていました。今年は、ここにタブレットの新製品が組み込まれて、法人向けソリューションのパッケージとして売られていくということでしょうか。
辻村氏 そうです。今まさに、それに向けて法人部門の体制強化も合わせて取り組んでいます。
●ドコモとしてクラウドサービスを強化する
―― Androidを搭載したスマートフォンやタブレット端末が増えて来ますと、キャリアとしての特長をどう訴求していくかが、1つの課題になります。その1つの鍵が、iモードの移行なわけですけれども、それ以外にスマートフォン/タブレット市場で“ドコモならでは”を打ち出していくポイントはありますか。
辻村氏 まず第1には、ドコモのスマートフォンやタブレット端末向けに“エコシステムを充実させる”ことが重要になります。すでにドコモマーケットも展開していますし、先ほど申し上げたiモードなどもここに含まれるでしょう。
そして、2番目に重要なのが「マルチスクリーン」です。これは2010年から重要なキーワードでしたが、今年はますます重要性を増していくでしょう。このマルチスクリーンでは、スマートフォン/タブレット以外のモバイル端末をどのように普及させていくのかという点もありますし、PCとの連携は従来にも増して重要になっていきます。
―― 確かにPCとのシームレスな連携は、マルチスクリーン時代でも重要な要素の1つですね。これまでのケータイはあくまでスタンドアローンでの運用が前提でしたが、スマートフォン時代はむしろ、さまざまな状況に適した端末から同じサービスやコンテンツが利用できることが重要になる。
辻村氏 そうです。そこで重要なのがクラウド的な機能やサービスを充実させることです。例えば、スマートフォン内のパーソナルデータをクラウドで預かって、PCや他のデジタル機器でも利用できるようにする。映像や電子書籍のしおり機能も、(クラウド経由で)共有で管理するといったことが必要になります。
―― 現状のAndroid端末ですと、クラウド的な機能・サービスはGoogleの標準機能を使うようになっています。しかし、この領域にドコモも踏み出す。ドコモが、そういったマルチスクリーンを連携させるためのクラウドサービスを提供させるビジョンがあるということでしょうか。
辻村氏 ええ、ドコモ独自のクラウドサービスを考えています。
とりわけパーソナルデータのお預かりサービスといったもので重要なのは「信用」だと思うのですよ。もちろん、インターネット上ではGoogleのようにパーソナルデータの保管・管理を行うクラウドサービスがたくさんあります。しかし、家族の写真だとか個人にとって重要なデータを預けるといった場合、「無料かどうか」だけが(クラウドサービスの)選択基準にはならないでしょう。我々が月額でいくらかの料金をいただく代わりに、データを安全にお預かりする。そういった信用をベースにしたクラウドサービスの在り方もあると思います。
スマートフォン向けのクラウドサービスについては、昨年のEvernoteとの提携のように外部の企業と連携するパターンもありますし、ドコモがフリーミアム型で無料と有料の両方のサービスを提供することも考えられます。ただ、他キャリアに対する差別化として考えるならば、ドコモブランドの信用力というものが、1つの鍵になるでしょう。
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